前回は生け花の基本を解説しました。
今回はその応用編です。
前回は三本の花材で花型を構成していきましたが少しさみしいように感じた方もいらっしゃったのではないでしょうか。そこで今回は応用編としてこの基本型に肉づけをしていき華やかさとボリュームを加えていきたいと思います。
私の生け花に対する考え方ですがハッキリ言って、
現代の生け花は最初に遠州流で型を覚え、草月流にて様々な花材やアレンジを覚えればそれで十分です。古典花を学びたいのであれば私は即答で池坊をお勧めしますがそれも遠州流と草月流を覚えてしまえば書籍で十分対応できます。生け花関係者の方には怒られるかもしれませんが私が三流派学んで出した結論です。(あくまで個人的な意見ですのでお許しください。)
ですので肉づけは遠州流の型で解説していきます。下画像をご覧ください。

画像で示したように真(しん)と重ねる形で前添(まえぞえ)と呼ばれる役枝を配置します。この役枝は真(しん)の間延びした印象を抑え、視点を中央部に寄せるためのもので遠州流でも非常に重要なものの一つです。
次に役枝の外添(そとぞえ)と内添(うちぞえ)を配していきます。

この外添(そとぞえ)と内添(うちぞえ)は真(しん)と副(そえ)、真(しん)と体(たい)の空間を埋め華やかさとボリュームを演出するためのもので欠かせない役枝です。
ここでもう一つ非常なポイントを説明します。
上の画像を見てお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんがこの作品を左右で分けた場合に左側は背の高い花材、右側は背の低い花材でまとめられています。これは生け花の基本型の特徴を良く表しているもので必ず視点が背の高い花材から低い花材に流れるように演出することが生け花=japan style flowerなのです。ちなみに西洋花はシンメトリーと言って左右対称が基本です。
それでは次に胴(どう)と言う役枝を解説していきます。下画像をご覧ください。

胴(どう)は真(しん)、前添(まえぞえ)でもカバーしきれない花型の間延び感を解消するための花材です。一つ前の画像と見比べてみてください。全体的に作品が締まったように思いませんか。
これで遠州流の役枝での肉づけは終了です。
私がなぜ遠州流の型を最初に覚えるべきだと考えるかといえば、それは余白空間へのアプローチこそが生け花・フラワーアートにおいて一番難しい部分だからです。言い換えればこれが自在に出来ればプロとして立派にやっていけるといえます。遠州流は役枝が他の流派に比べて多いのが特徴で余白を意識することが余りありません。つまり生け花の基本型と言って良いのです。最初にこれを学んでしまえば後は応用ですのでどうにでもなります。
是非覚えていただきたい型です。
下図は私がアレンジした作品です。全体のバランを取るために更に二本の花材を生けました。

完成がこちら。

いかがでしたでしょうか。
特に草月流を今習っている方はこの型を学べばお稽古が非常に楽しいものになると思います。なぜなら草月流は型があって無いようなもので最初から余白へのアプローチを要求されるからです。
ご興味のある方は一度挑戦されてはいかがでしょうか。質問等も随時受け付けておりますのでお問い合わせいただければ幸です。
コメント
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