生け花の基本中の基本(草月流)応用編

生け花

今回は前回の草月流基本型の‘あしらい’(肉づけ)について説明していきます。

草月流は基本的には型は存在しません。安達流の流れを持つこの流派は安達瞳子(あだち とうこ)先生の提唱なさった「自然の中の動き=動の世界」を基本としているため決まった型を必要としないのです。

流派創設のために一応型らしきものは存在しますが、それはあくまで初代 勅使河原 蒼風(てしがわら そうふう)先生が苦肉の策で作ったように私には思えてなりません。

言い換えれば草月流は生け花上級者向けの流派であり、初心者には敷居が高すぎるのです。最低でも①花材の‘顔’が分かる(一本一本の花材の特徴を上手く捕らえることができる)②様々な花材に触れている③既に空間に適した生け花ができている④生け花作品の全体のバランスがとれる⑤フラワーアレンジメントの知識がある。以上を踏まえなければ草月流の本当の素晴らしさは理解出来ないように思います。

しかし上記のような知識を身につけるには他流派で基礎を身につけるしかありません。そこで今回、私なりに草月流の基本型を作成しました。草月流で特に初心者の方はこの型を何度も生けて生け花の基礎を身につけてもたいです。そうすればその後の上達は目を見張るものとなるでしょう。

それでは始めていきます!下画像をご覧ください。

まずは真(しん)に合わせる形で「生け花の基本中の基本(応用編)」で説明した前添(まえぞえ)を配置します。間延びしたように見える真(しん)にボリュームを付け足すためです。

続きまして更に真(しん)の下部へ胴(どう)を配置します。

これは真(しん)に更なるボリュームを加えることと、‘活け口’を隠す為のものです。

次に外添(そとぞえ)を配置します。

これは真(しん)と副(そえ)の間の空間が空きすぎているので、そのバランスを取るためのものです。

次に内添(うちぞえ)を配置します。

この役枝も先程説明した外添(そとぞえ)と同じ役割で、真(しん)と体(たい)の間の空間バランスを取るためのものです。

以上で草月流の基本型の説明は終わりです。いかがでしたでしょうか。この基本型は実は草月流と遠州流のミックスで作りました。なぜなら草月流の創始者 勅使河原 蒼風(てしがわら そうふう)先生は元々は遠州流を教授していて、過去の先生の作品を拝見してみると遠州流の流れを凄く感じるのです。ですので草月流のベース作りには遠州流の基本型を取り入れるのが最も合理的です。

最後に全体のバランスを見て一本役枝を増やすことにしました。下図をご覧ください。

前添(まえぞえ)と胴(どう)の空間が気になったので、全体のバランスと目線の位置を意識して配置しました。

出来上がりの作品が下図です。

是非試してみてください!

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コメント

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