生け花の基本中の基本(遠州流 道具編③)

遠州流道具

本日は前回予告しました花小太刀について説明していこうと思います。

まずは花小太刀を見ていただきましょう。

鞘に収められた画像がこちら。

鞘から抜いた画像がこちらです。

よく時代劇に出てくるお姫様が腰に差している小太刀と勘違いされる方がいらっしゃいますが次の画像を見てください。ハッキリとした違いをご覧いただけると思います。

刃の頭の部分が尖ってはいませんよね。これが花小太刀の特徴です。あくまで花材に対して使うものでナイフのように多目的に使えるようには出来ていないのです。

裏はこんな感じです!

花小太刀は片刃と言いまして片面のみを研いでいます。特徴としては切れ味が非常に良いことです。(出刃包丁なども片刃の代表的な刃物の一つです。)

基本的に遠州流では枝物と言いまして桜や梅、ツツジや椿などをよく使います。ですのでどうしても切れ味が良く頑丈な削り道具が必要になってくるのです。花小太刀は遠州流にとってなくてはならない道具なのです。

では次に使い方を見ていきましょう。遠州流独特の技術もご紹介します。

このように遠州流では枝物の挿し口に花小太刀で細工を施します。これは前回説明した木密(こみ)に差し入れるのに形を整形しなくてはならないからです。最終的には下画像のように削ります。

少しボケてしまっていて申し訳ありませんが両サイドを削って二等辺三角形を挿し口に作ります。そしてこれを木密(こみ)に差し入れるのです。

完成形がこちら!

ここで注意点を2つほど。

挿し口の整形は綺麗な二等辺三角形を必ず作ること。でないと木密(こみ)から直ぐに外れてしまう。

しっかりと木密(こみ)と枝物が一体となるように微調整もおこなうこと。

以上を踏まえて遠州流では花材をいけていくのです。木密と花材は遠州流では一体なのです。

いかがでしたでしょうか。今回は花小太刀と遠州流独特の技術をご説明させて戴きました。江戸時代中期に一大ブームを起こした遠州流は当時の武士たちの嗜みとして一世を風靡しました。一切の無駄を廃したこの生け花は一見寂しいように感じる方も多いかと思いますが、しかしこの美意識こそが我々日本人が元々持っていたものなのです。

では次回、遠州流道具紹介編の最後を飾るは楔(くさび)ノコギリです。楔留め(くさびどめ)という遠州流そのものと言ってよい技術に無くてはならない道具ですので楽しみにしてください。

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コメント

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