生け花の基本中の基本(遠州流 道具編①)

遠州流道具

今回は華道遠州流の基本的な道具の紹介です。

現在私が稽古に勤しむ流派であり個人的には華道最高峰と思っております。

まず初めに遠州流についてご紹介していきます。

遠州流は小堀政一を流祖とし、江戸中期に花人・春秋軒一葉がその花型の基礎を確立。やがて本家とも言える三大遠州流が貞松斎一馬、春草庵一枝、本松斎一得らによりそれぞれ正風遠州、日本橋遠州、浅草遠州として興りました。それまでの「わび・さび」という美意識に留まらず、人為的に計算された美、均整のとれた美を加味して『綺麗さび』と呼ばれる小堀雅和(遠州)の美意識をそのまま花の姿に表現した流派です。

版画技術により花体の図が広く全国に普及し、またそれらの一部が海外にも渡ったこともあり、西洋のフラワーアレンジメントにもこの流派の曲線(ラインアレンジ)が影響を及ぼしたとも言われています。

19世紀末に西洋で隆盛を得たジャポニズムブームと共に紹介された日本の「華道」の花姿はほとんどが遠州流の花図であり、西洋近代建築を日本にもたらしたジョサイア・コンドルや北大路魯山人も遠州の花を贔屓にしていました。

また草月流創始者 勅使河原蒼風氏も遠州流出身であることは有名な話です。

このように遠州流は日本人の美意識を極限まで凝縮した最高峰のいけばな流派でありますが、しかしそれゆえ非常に難しい技術と膨大な花型が存在します。

何より道具を揃えるだけでも現在は非常に大変なのです。

そこで今回は遠州流を始めたい人向けに導入編として道具の紹介をしていきたいと思います。

まずは気軽にお楽しみください!

最初は遠州流独特の器である薄端を紹介します。

これは遠州流独特の器で三つ足の薄端です。直径約21cmとそれ程大きくはありませんが真鍮製で意外に重量があります。それには理由があり上画像①のいけばなでもわかる通り遠州流の花型は器を真上から貫く中心線で考えると左右のどちらかに花材のウウェートが偏って乗るため、器にある程度の重さが無いと直ぐにひっくり返ってしまうのです。

この器は定価で購入するとなると現在では2〜3万円ほどしてしまいます。私はほとんどの器はyahooオークションで購入しており、4〜5年前であれば2千円ほどで購入できましたが現在は約5千円ほどとなっています。もし遠州流の器が欲しいという方がいらっしゃるのであれば強くオークションでの購入をオススメします。また画像②のようなオーソドックスな形のものを推奨します。中にはデザイン的に凝った物もありますが器の部分と足(三つ足等)の部分とでチグハグな器もよく見ます。そのような器はいけていても違和感が残ってしまい作品の品格を落とす原因にもなってしまうので極力避けてください。

遠州流の器の紹介は以上となりますがこの器はまだ完成形ではありません。ある部材を組み合わせることによって正式な遠州流の器となるのです。

次回はその部材、通称『木密(こみ)』について紹介していきたいと思います。

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コメント

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